平成22年・23年度桐生仏教会基本方針

会長 本間光雄

桐生仏教会は明治43年4月、桐生町と周辺の村々の38か寺により設立された桐生仏教積善会に端を発します。以来100年仏教会として様々な仏教に根ざした事業が展開されてきました。
 桐生仏教積善会が発足した当時は、明治新政府により布告された神仏分離令に伴い起きた廃仏毀釈運動がいまだ収まらない状況下にありました。国内では多くの寺院が破壊され、仏教は極めて大きな打撃を受けたのです。
 世の中の仕組み、価値観が大きく変化を遂げる中で、非常な危機感を持った諸先輩たちが、あえて仏教の存在を世に問う行動を起きしたと言うことが出来るのではないかと考えられます。
 その活動は実にエネルギッシュで、出獄人保護事業・子女の教育機関・盲学校や図書館の開設にまで及んでいて、今日その理念は高く評価されるものであります。
 21世紀を迎えた今、仏教を取り巻く環境は極めて厳しいものがあります。『葬式は要らない・戒名は要らない・お墓は要らない』こんなタイトルが列記された書籍がベストセラーになる有様です。 今私達は『仏教とは何か。寺院の・僧侶の役割は何か。』改めて問われているように感じます。旧態依然の考えをしていたのでは、早晩人々の支持を失うことになりかねません。
 私たちは諸先輩方の設立精神を改めて見つめ、守るべき伝統は守り、さらに時代の求めるものに対応し応えてゆかなくてはならないと考えるものです。
 100周年のポスターに謳われています『今、新しい一歩を踏み出そう』を基本理念にして活動を展開してまいりたいと考えます。

就任にあたり、諸大徳の絶大なるご協力をお願い申し上げます。
 
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