桐生仏教会 法話
暮らしの中の仏教用語
 鳳仙寺 副住職 坪井 良樹
 私たちが普段使っている「言葉」の中には、仏教にまつわる言葉が沢山あります。そんな暮らしの中の仏教語を紹介したいと思います。
 【ありがとう】ありがとうは、『法華経』の中の 「是の諸々の菩薩は、甚だこれ有り難し」という一文の「有り難い」が語源であると言われており、「有ることが難い」「めったに会うことができない」という意味があります。そこから「めったにないことをして下さって感激です」という感謝を表す言葉として「ありがとう」という言葉が使われるようになりました。       
【お陰様で】お陰様も感謝の心を表す日常語です。「お陰」は、仏様の助けやご加護のことで、そこから仏様や他人様のお陰で生かされていることを自覚し、感謝するという意味からきています。
 私たちは、様々な人々と相互に関係しあい、多くのものの力、お陰、恵みを受けて生きています。自分ひとりでは、生きていくことはできません。お陰様の気持ちを忘れずに日々の生活を心掛けたいものです。
【ご馳走】ご馳走は、現代では特別に豪華な食事を表す意味として使われていますが、元来「馳走(ちそう)」とは、お客様の食事を用意する為に馬を走らせ食材を集めたことが由来です。
また、走り回って良い食材を集めるところから、江戸時代以降には、もてなしの意味が含まれる感謝の言葉として「ごちそうさま」が使われるようになったようです。お客さまのことを思い、一生懸命作った料理が「御馳走」でそれに対する感謝の言葉が「ごちそうさま」というわけです。「ありがとう」「お陰様で」「ごちそうさま」。相手への感謝の気持ちを大切に、思いやりの心をもって生活すれば、私もあなたも幸せな毎日を過ごせるでしょう。
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